ヴァイオリンについて

最近テレビでドラマ、CMなどでもよくみかけることが多くなった『バイオリン』、どんな楽器なのでしょうか?

バイオリン(ヴァイオリン)とは
『弦楽器』と呼ばれる種類の中でも最も有名な楽器です。
人間の声に最も近い楽器とも言われ、弾く人によっても音色が変わり、より個性が発揮できる楽器だと思います。
 最近では「のだめカンタービレ」の影響などクラシックブームもあり、わりと身近な楽器になってきたと思いますが、「高貴な楽器」といわれてしまうこともしばしば・・・。
初心者のかたがバイオリンを弾くと、『"ドラえもん"のしずかちゃんや"サザエさん"のマスオさんがバイオリンを弾くときのような…のこぎりみたいな音でギーギー!と大きく不快な音がなるのでは?』と心配するかたもいらっしゃるのですが決してそんなことはありません(笑)

バイオリンの歴史
 1550年ごろ北イタリアのミラノ周辺のどこかで突如出現した・・・と言われている通り、はっきりとした起源はわかっていません。
流行した舞曲や世俗音楽に使われるような、民衆の楽器でしたが、フランスの宮廷がクレモナの名匠A.アマティーに大量のバイオリンを注文したことがきっかけで貴族のための音楽としても広がり、用いられるようになりました。
その後、A.アマティーの孫N.アマティーやストラディヴァリ一族、グァルネリ一族などの有名な製作者が誕生しました。
最も有名であるアントニオ・ストラディヴァリとバルトロメオ・ジュゼッペ・グァルネリ・デル・ジェスの作った名器は今もなお有名な演奏家たちに演奏され、その価値は何億円と言われています。
 このように高品質のバイオリンは、木材の変化により、長い年月をかけ、弾きこむほどその性能や価値が上がってくることがあります。


楽器の構造
 バイオリンの全長は約60cm、使用されている木材は一般的に表板にはスプルース(松の一種)、裏板などにはメイプル、指板には黒檀が使われています。
 楽器の中はただの空洞ではなく、家の大黒柱のように『魂柱(こんちゅう)』という小さい一本の柱が表板と裏板の間に立っています。魂柱は小さくても文字通り「魂の柱」、立てる位置によっても響きが大きく変わります。また魂柱が倒れてしまうと板が割れて しまうこともあります。
 バイオリンに張ってある弦は4本。低いほうからソ・レ・ラ・ミと高さが異なった弦が張ってあります。昔はガット弦と呼ばれる羊の腸を使ったものが一般的に使われていました。今でももちろんそのままのものもありますが、現在ではそれを芯材として、金属を巻いたものがあります。
しかしとても高価で伸びやすいので調弦も難しく、寿命も短いため、今ではスチール弦やナイロン弦が多く使われています。

弓について
 フェルナンブコ材などが使われていますが、近年では木が激減しているため、新素材としてカーボン製の弓も増えてきています。
木には馬のしっぽの毛(白毛)が160~180本張っており、一本一本の毛には顕微鏡でしかわからないほどに小さなけばだちがあります。
そこに松やにを塗ることによって摩擦力を強くして、きれいな音が鳴るようになります。